開催中の世界教育フォーラム2015 仁川(韓国)
韓国・仁川で世界教育フォーラム(World Education Forum)2015が、19~22日まで開催中だ。2030年までの今後15年間における教育の課題について討議し、世界で取り組むべき計画を策定する。
同フォーラムは、国連教育科学文化機関(ユネスコ)を中心として、世界銀行、国連児童基金(ユニセフ)、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)などの機関が共同で開催しており、各国の大臣、政府高官、ノーベル賞受賞者、学識者、研究者、国連機関・各種NGOの代表者など多くの関係者が参加している。開会日の19日に際しては約1500人が集まった。
2015年は、2000年に定められた「万人のための教育(Education For All)」の6つの目標とミレニアム開発目標(MDGs)達成の期限の年。過去15年間の教育分野の大きな前進は、関係機関の様々な努力によるところが大きいが、今回のフォーラムではこの前進を振り返りつつ、残された課題や新たな問題への解決の道筋についても協議される。
ユネスコ統計研究所によると、学校に通えない子供たちの数は2000年から2012年までの間に7600万人減った。同じ期間に就学前教育を受けられた子供は6700万人以上増加し、小学校に入学することができた子供はおよそ5000万人増えた。しかしながら、「万人のための教育」への取り組み完了の道のりは遠い。
ユネスコ事務局長のイリナ・ボコヴァ氏は、「貧困をなくし、生活を変え、全ての持続可能な開発目標の突破口となるのが教育」と開会のスピーチで話した。全ての子どもと若者が知識や価値観、スキルの基礎を築き、未来を形作れるよう支援する義務があり、大人に対しても、生涯に渡って学び続けられる機会を与えなくてはならないと強く訴えた。また、ユニセフ事務局長は「子供たちに公平な学習の機会を与えることで、彼ら自身が自分たち、そして次の世代のために、よりよい世界を築いていける」と話した。
画像提供:UNICEF/SUDA2014-X1056/Noorani