二酸化炭素濃度、ついに400ppm超え
世界40か所の大気中の二酸化炭素(CO2)濃度の1カ月あたりの平均値が、今年の3月、測定開始以降初めて400ppm(ppmは100万分の1)を超えたと米海洋大気局(NOAA)が7日発表した。産業革命前のCO2濃度は約280ppmだったが、化石燃料の燃焼などで120ppmも上昇した。そのうちの半分は1980年以降に生じている。
地球温暖化による危険な気温上昇を防ぐには、400ppm未満に抑えるのが望ましいとされる。しかし、NOAAのグローバル温室効果ガス・リファレンスネットワークの主任科学者であるピーター・タンズ氏は、「平均濃度が400ppmを超えるのは時間の問題だった」と述べた。
NOAAのグローバル・モニタリング部門のディレクターであるジェームズ・バトラー氏は、「化石燃料からのCO2排出量を80%減らせば、CO2濃度の上昇を停めることができるだろう」と指摘した。それでも上昇を停めるだけで、さらなる削減をしなければ下降には転じない。それも非常に緩やかなものになるだろう。
自然のサイクルとして、春から秋にかけては植物の光合成が盛んになるためCO2濃度は春をピークに低下する。大気中のCO2濃度が上昇すると、温室効果によって気温も上昇するため地球温暖化を引き起こす。またCO2が海洋に溶けることで海洋の酸性化も引き起こされ、生態系への影響も懸念される。