ワカメの長期摂取が長寿に影響
理研ビタミン(東京都千代田区)は、北里大学医療衛生学部の丸山弘子準教授との共同研究で、ワカメの長期摂取により長寿遺伝子の発現が高まることや、エネルギー代謝が変動することが分かったと発表した。
同研究では、マウスを(1)通常飼料群、(2)通常飼料+ワカメ群、(3)高脂肪飼料群、(4)高脂肪飼料+ワカメ群の4群に分け、約2年間にわたって飼育し、ワカメの長期摂取が老年期の生体に与える影響を調査した。
ワカメを摂取した場合、長寿遺伝子とも呼ばれるサーチュイン遺伝子(※)の有意な発現の上昇、コレステロールや脂肪酸の生合成に関与する遺伝子の発現低下、脂肪の燃焼を促進する遺伝子らの発現上昇が認められた。また、高脂肪飼料の摂取により老年期に認められる著しい体重減少の遅延、脂質代謝関連遺伝子の発現制御を行なう転写因子の有意な発現上昇が認められた。
ワカメの長期摂取が、健康寿命の延伸に効果があることが期待される。5月14~18日に開催された第12回アジア栄養学会議(ACN2015)で発表された。
(※)サーチュイン遺伝子:老化・寿命の重要な制御因子として着目されている。カロリー制限により抗老化、寿命延伸作用が認められるが、その作用を担う因子であることが報告されている。