グーグル、フェイスブックなど米IT最大手5社がAIで提携
米国で新しい人工知能(AI)のNPO団体が発足したと9月28日、米ガーディアン紙が報じた。グーグル、フェイスブック、アマゾン、IBM、マイクロソフトの5社がパートナーシップを結び、AIに関する一般の人々の理解の促進や将来の研究者が従うことになる規格の整備などを進めていくという。
NPO団体の名称は「Partnership on Artificial Intelligence to Benefit People and Society(人々と社会へ貢献するための人工知能におけるパートナーシップ)」。研究の実施、ベストプラクティスの推奨、オープンラインセンスのもとで倫理、公平性、透明性、プライバシー、相互運用性、人とAIシステム間の協調、技術の信用性、信頼性およびロバスト性といった領域の研究成果の発表などを行っていく。主要メンバーには企業に限らず大学やNPO、法律や倫理などの専門家など幅広く集めていきたいとしている。
NPO団体創設企業メンバーである5社は、それぞれAI研究チームを持っており、IBMのWatsonやアマゾンのAlexaのように既に有名なものもある。グーグルは、3月に囲碁の世界トップクラスの選手に勝利したAIを開発した自社傘下の研究組織Deep Mindを通じて参加している。
一方で同紙は、AppleとOpenAIが参加していないことを指摘。Appleはパーソナル・アシスタント、画像認識、ボイス・コントロールの分野でAIへの取り組みを、これまで大々的にアピールしてきた。OpenAIは、テスラ創業者のイーロン・マスクがバックアップしている非営利のAI研究団体である。
Deep Mindの共同設立者であるムスタファ・スレイマンは「多くのさまざまな研究所や団体を招待しているところだ」と述べている。
また、アマゾンの機械学習科学および機械学習コアチームのディレクター、ラルフ・ハーブリッチは「私たちは機械学習とAIの黄金時代におり、このパートナーシップは顧客の信頼と社会貢献を発展させるための議論を行う場として最高の環境だ」と話している。
(写真はイメージ)