デジタル教科書導入、2016年までに方向性が決定
教科書が紙媒体からデジタルへと変わる、教科書の歴史が大きく塗り替わる時が近い。文部科学省は12日、「『デジタル教科書』の位置づけに関する検討議会」の初会合を開いた。この会合は今後半年かけて、月1回程度行われ、デジタル教科書の位置づけとこれに関する教科書制度の在り方について、2016年12月までに方向性をまとめる。
今回の検討議会では、デジタル教科書導入に積極的な声が多く上がった。「デジタルの媒体は、紙媒体よりも膨大な情報量が蓄積できる。常時更新して最新情報を得られる。その結果、児童生徒の興味関心が大きく増すメリットがある」「特別支援教育の場では、例えば反復させて指導する場では、デジタル化に抵抗感は薄い」「教育活動の高度化には、ICTの利用は不可欠。その中の一つがデジタル教科書である」。反面、「情報の質を確保するために、それなりの人出が必要となり、人件費がかさむ」といった問題点も話し合われた。
同議会座長の堀田龍也東北大学大学院情報科学研究科教授は、「教育のデジタル化は時代の趨勢でもある。デジタル教科書の導入によって、紙媒体の教科書とのミックスの時代が到来するのかどうか。制度改正の問題も含めて議論していきたい」と述べた。
社会における情報化の著しい発展は、教育分野においても制度改正を促している。