ドイツで砂糖税導入めぐり論議 アルコールにも肥満との因果関係
世界保健機関(WHO)は11日、「世界肥満の日」に合わせて各国政府に対し、砂糖を多く含む清涼飲料水などに最低20%の特別税を課すことを呼びかけた。これにより肥満や糖尿病、虫歯などを確実に減らすことを狙いとしている。11日付のフランクフルターアルゲマイネ紙オンライン版が伝えた。
WHOによると、2015年の5歳以下の肥満児の数は世界全体で4200万人に上っており、15年前と比べて11%増加しているという。また糖尿病患者の数も1980年の時点で1億800万人だったのに対し、2014年には4億2200万人となっている。WHOは、砂糖から摂取する1日のカロリー供給量は最大10%までにするべきであると推奨している。
ドイツでは消費者保護団体のフードウオッチが、「複合的な社会問題である肥満を、清涼飲料水への課税だけでは解決できない」と批判。シュミット連邦食糧相も、1993年までドイツに「砂糖税」が存在したが何ら効果をもたらさなかったことを挙げ、清涼飲料水への課税に否定的な見解を示した。
一方、市場調査会社ユーロモニターの調査では、多くの国でアルコールによるカロリー供給がコーラやファンタなどによるカロリー供給を上回っていることを問題視。1杯の赤ワインと1本のウインナーソーセージのカロリーは同等で、アルコール摂取が体の脂肪代謝を鈍らせることなど、アルコールと肥満との因果関係にも警鐘を鳴らしている。
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