ニホンライチョウの卵を乗鞍岳で採取 飼育繁殖事業始まる
5日、環境省は乗鞍岳(長野県・岐阜県)において、絶滅危惧種であり国の特別天然記念物であるニホンライチョウの卵を5個採取した。卵は同日に上野動物園に輸送された。上野動物園ではその卵を用いて飼育繁殖の事業を行っていく。
減少が心配されているニホンライチョウの保全に向けて、上野動物園と富山市ファミリーパークが飼育下での繁殖に取り組んでいくライチョウ保護増殖事業が先に発表されている。これはライチョウの飼育下での繁殖技術を確立し、野生復帰させ得る資質を備えた生息域外個体群を形成、維持するとともに、動物園等における普及啓発を推進するのが目的。さらに生息状況の把握や生息環境の維持と改善なども行われる。
同省は15日まで調査を継続し、卵の採取が与える影響などを調べていく。野生のライチョウの抱卵期は6月下旬であり、今月下旬にも採卵する予定。