クックパッドで江戸料理のレシピ公開 国文研など
国立情報学研究所(NII)と国文学研究資料館(国文研)は、江戸時代の料理本に書かれた調理手順をデジタル化し、現代の人々でも使える形式に整備した「江戸料理レシピデータセット」の公開を24日から始めた。また、同日から料理レシピ投稿・検索サービスの「クックパッド」でも現代語に訳し、「レシピ」形式に編集したデータを公開した。
これはNIIと国文研が協働で取り組んでいる日本の学術コミュニティーのオープンサイエンス推進の一環。第1弾として、まず10日に古典籍700点の画像データと書誌データなどを「日本古典籍データセット」として公開し、17日には第2弾として古典籍で使われているくずし字の字形データによる「日本古典籍字形データセット」も公開した。
今回の「江戸料理レシピデータセット」は一連のデータセットの第3弾となり、日常生活に密接に関連したテーマである料理が対象。古典籍の料理本はくずし字で書かれており、用語や素材などを理解するには当時の文化に関する知識が必要となる。そこで誰もが江戸料理を作れるようにするために、現代のレシピ形式に整備して公開することにした。
さらにNII と国文研は、クックパッドと日本家政学会 食文化研究部会が運営する 「クックパッド 江戸ご飯」に参加して、同データセットを公開。サイトを検索すれば自由に江戸料理レシピが利用できる。
NIIと国文研は、「このデータセットが提供するレシピが、ユネスコ無形文化遺産にも登録された『和食』の歴史と文化を理解する一助になれば」とコメントしている。
『万宝料理秘密箱』に記された 「冷し卵羊羹の仕方」(一部)=日本古典籍データセット (国文研所蔵)
画像提供:NII、国文研(「江戸時代のスイーツ 甘さスッキリ冷卵羊羹」のレシピによる調理例 )