希少動物ヤブイヌ2頭相次いで死ぬ 愛媛県立とべ動物園来園直後
愛媛県立とべ動物園(愛媛県砥部町)は、ヤブイヌのオス「ケンタ」が6日、メス「コモモ」が7日、相次いで死んだと8日に発表した。2頭とも9歳だった。ケンタとコモモは5月11日に京都市動物園から来園したばかり。死因は、環境の変化によるストレスなどで体力が低下し、何らかの感染症により消化管の出血を引き起こしたものと推測され、詳細については現在調査中。
とべ動物園で飼育していたヤブイヌは、2頭の死でいなくなった。10日の時点でヤブイヌは国内の動物園では京都市動物園、名古屋市東山動植物園、よこはま動物園ズーラシア、埼玉県こども動物自然公園で飼育されている。
ヤブイヌは食肉目イヌ科。国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストに準絶滅危惧種として掲載されている。南アメリカ北部の森林や草原に広く分布し、特に水辺を好む。足の指の間には水掻きのようなものがあり、泳ぐのが得意。小型哺乳類や鳥類、魚介類などを食べる。10頭程の群れで生活し、カピバラなどの大型齧歯類を集団で狩ることもある。
希少動物は個人や動物園・水族館の持ち物ではなく、世界共通の財産であるという考えに基づき、その繁殖を積極的に促進することを目的として、動物園や水族館の間での貸し借りはブリーディングローンという賃貸契約でなされている。今回のヤブイヌの移動もその契約によるものだった。