経産省・国交省、自動走行システムの将来像提示
経済産業省と国土交通省が取り組む「自動走行ビジネス検討会」は6月24日、欧米が活発に取り組みを進める自動運転技術に対する日本としての対応を検討してきた中間とりまとめを公表した。
同検討会は、自動走行における海外の取り組みに対して日本としてのあり方を検討する目的で行われている。これは日本の基幹産業である自動車産業において、自動車の普及拡大や高齢化が進む中での事故や渋滞、環境負荷の低減などの対応が題材に挙げられている。自動走行技術は従来以上に幅が広いため、これまで以上に産官学の連携が求められ、海外を含めた協力のあり方をオールジャパンで検討する必要があるとしている。
今後の取り組みとしては、第一にセキュリティや機能安全、人工知能を活用した認識・学習アルゴリズムなどの分野において産官学協調領域のテーマを具体化する。第二にドライバー不足解消や、移動制約者にやさしい移動手段の確保、運転者の苦手な操作のカバーなど、自動走行の将来像をより具体化し、実現に向けた検討を行う。第三に機能面、人材面、設備面において産官学の連携を強化し検討を進めるために、ワーキンググループを設置する。
自動走行の将来像については具体的なアイデアも提示された。トラックなどが隊列走行することにより渋滞減少によるCO2の削減やドライバー不足の解消、障害者や高齢者を駅から目的地まで送迎するラストワンマイル自動走行、急な体調不良に対し病院等へ運搬するデッドマンシステム、都市部における駐車場の有効活用を目指す自動駐車などが挙げられる。