OECD学力調査 シンガポールがトップ 日本は「科学」で2位

OECD学力調査 シンガポールがトップ 日本は「科学」で2位

経済協力開発機構(OECD)は6日、世界72カ国・地域の15歳の生徒約54万人を対象とした「生徒の学習到達度調査(PISA)」の2015年版を発表した。「科学的リテラシー」「読解力」「数学的リテラシー」の3分野を主に測定したもので、シンガポールが3分野とも1位だった。日本は科学的リテラシーで2位(538点)、読解力は8位(516点)、数学的リテラシーは5位(532点)となった。

同調査は3年ごとに実施しており、3分野のうち、特に科学的リテラシーに焦点を当てている。2012年の前回調査では日本は科学と読解で4位、数学で7位だった。

今回の調査でOECDでは、日本では教育の機会の平等性が確保されており、2006年以降維持されていると評価。生徒の経済状況が成績に与える影響は少ないといえる。

一方で、「科学についての知識を得ることは楽しい」と答えた割合は、日本では2006年に比べて減少し、また男女差が最も大きい国となった。OECD平均では男子69%、女子64%なのに対し、日本は男子63%、女子46%にとどまった。

また、「理科の授業で学んだ多くのことは就職に役立つ」と答えた割合は全体で増加したが、これも男女差が大きく現れた。OECD平均は男子63%、女子59%なのに対し、日本は男子57%、女子47%となった。

また1位になったシンガポールについて、リポートの中で、「Thinking Schools, Learning Nation (TSLN)」という近年の標語が紹介されている。これは創造力やクリティカルシンキングの力を養い、教育を国のアイデンティティの中心に据えるといった考えである。

各分野のトップ10とOECD諸国の平均は以下の通り。
(かっこ内は前回調査(2012年版)の順位。「中国」は2015年版では北京、上海、江蘇省、広東省の4地域、2012年版では上海のみ)。

【科学的リテラシー】

1位(3位)シンガポール 556点
2位(4位)日本 538点
3位(6位)エストニア 534点
4位(13位)台湾 532点
5位(5位)フィンランド 531点
6位(17位)マカオ 529点
7位(10位)カナダ 528点
8位(8位)ベトナム 525点
9位(2位)香港 523点
10位(1位)中国 518点

OECD平均:493点 (2012年の平均:501点)

【読解力】

1位(3位)シンガポール 535点
2位(同率)(2位)香港 527点
(8位)カナダ 527点
4位(6位)フィンランド 526点
5位(9位)アイルランド 521点
6位(12位)エストニア 519点
7位(5位)韓国 517点
8位(4位)日本 516点
9位(22位)ノルウェー 513点
10位(同率)(16位)マカオ 509点
      (14位)ニュージーランド 509点
      (19位)ドイツ 509点

OECD平均:493点 (2012年の平均:496点)

【数学的リテラシー】

1位(2位)シンガポール 564点
2位(3位)香港 548点
3位(6位)マカオ 544点
4位(4位)台湾 542点
5位(7位)日本 532点
6位(1位)中国 531点
7位(5位)韓国 524点
8位(9位)スイス 521点
9位(11位)エストニア 520点
10位(13位)カナダ 516点

OECD平均:490点  (2012年の平均:494点)

(写真はイメージ)

 
Facebook Like!