チーターが激減で絶滅の危機に
地上で最も速く走ることのできる動物チーターが、これまで把握されていた以上に深刻な絶滅の危機に瀕していることを動物学者らが警告、野生生物のレッドリストにおいて、チーターを「危急種(vulneable)」から「絶滅危惧種(endangered)」に引き上げるよう要求している。27日付の独ツァイト紙オンライン版が報じた。
100メートルを3秒の速さで駆け抜けることができるチーターは、最も速い陸生動物として知られている。このチーターの数が世界全体で現在7100頭以下となっており、アフリカのジンバブエでは、過去16年間で85%の減少率が確認されているなど、急激に頭数が減少している。また以前からの生息地にとどまっているチーターが全体のわずか9%であることなどを、動物学者および野生動物保護機関がPNAS(米国科学アカデミー紀要)でリポートしている。
これまで、チーターの正確な頭数を確認することが困難だったため、危機的状況が把握されずに来たと同リポートは指摘。また、チーターは広範囲を移動する習性を持つため、77%が保護地区外で生息しているとされており、密猟者に狙われるほかにも、チーターが人間の住む集落に侵入して牛やヤギなどの家畜を襲うことで毒殺または射殺される事態に発展しているという。
(写真はイメージ)