2016年の”天災”を振り返る

2016年の”天災”を振り返る

2016年を振り返ると、「史上初」「前例のない」「数十年ぶり」……、そういった言葉を多く聞いた。政治世界でもそうだが、特に大雨、台風、地震、干ばつ、熱波などの自然災害において印象的だった。主だったものを年の最後に振り返っておきたい。

【地震】
▽1月4日 インド北東部でマグニチュード(M)6.7の地震が発生。死者11人。この地域では、2011年にもM6.9の大地震で80人以上が犠牲になった。 

▽2月6日 台湾でM6.6の地震が発生。死者117人で、1999年9月21日に2415人の被害を出した921大地震以来の大規模地震災害となった。

▽4月14、16日 熊本県で地震発生。死者32人。16日の本震ではM7.3、震度7を観測、95年の阪神淡路大震災と同規模の大地震となった。震度7を記録する地震は東日本大震災以来5年ぶり。前震および本震で震度7の揺れが2回あったほか、余震として震度6強2回、6弱が3回と大きな揺れが続き、有感地震は4000回を超える異例の群発地震となっている。

▽4月17日 エクアドルでM7.8の地震が発生。死者661人、負傷者1万6600人、行方不明者58人の大惨事となった。エクアドルでは1979年以来の規模。この後も強い余震が続いた。

▽8月24日 イタリア中部でM6.2の地震が発生。死者298人で、1980年11月のM6.9、2009年1~4月の群発地震(最大M6.3)と並ぶ規模の地震となった。
 
▽9月12日 韓国・慶州でM5.2、M5.8の地震が連続発生。1978年の観測開始以来、最大規模の地震だった。

▽10月21日 鳥取県中部でM6.6の地震発生。震度は6弱。

▽11月14日 ニュージーランドM7.8の地震 2人が死亡。この地域では2010年9月4日にM7.0、2011年2月22日にM6.1、6月13日にM6.3の規模の地震が発生していた。

▽11月22日 福島県沖でM7.4の地震。2011年3月11日の東日本大震災の余震とされた。

▽12月25日 チリ南部でM7.8の地震。約4000人が津波を警戒して避難した。チリでは地震や火山活動が頻発しており、M7.0以上の地震は1973年以来10回を超える。

【水害】
▽6、7月 中国南部での洪水
6月30日以来、湖北、安徽(あんき)、江蘇など長江の中・下流域、長江・淮河流域、南西地域の東部など各地で激しい雨が降り続いた。1時間当たりの降水量が250mmを上回った地域は6万平方km、100mmを上回った地域は29万平方km、50mmを上回った地域は69万平方kmという広域に達し、多くの地域で降水量の過去最高記録が更新された。

▽8月 東アジアの台風
北日本に相次いで上陸した台風7、9、10、11号。8月後半に集中的に上陸し、北海道と岩手県に大きな傷跡を残していった。
台風7号、11号は、本州に上陸せず、直接北海道に上陸した台風。このような台風が1年に複数発生したのは観測史上初だという。また、台風10号は、観測史上ほかに例を見ない経路で東北に上陸し、岩手県、北海道に豪雨をもたらした。その後、8月29~31日にかけて大陸の低気圧と合流し、北朝鮮では1945年以来の記録的豪雨となった。130人以上が死亡、数万棟の家屋が破壊したという。

【干ばつ、熱波】
▽1~3月 パラオの干ばつ
太平洋の島国パラオ共和国では、1951年以来最低の降雨量を記録。深刻な干ばつとなり、3月22日には水不足の非常事態宣言を出した。

▽4月 インドの熱波
2015年に続き、インドを熱波が襲った。4月24日にはインド東部のオリッサ州ティトラガルで48.5度を記録し、1999年以来17年ぶりで4月の最高気温を更新した。

冒頭の写真:地震で崩れた熊本城の石垣(8月22日撮影)

 
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