イスラエルの出生率がずば抜けて高い理由
経済開発協力機構(OECD)の最新の調査で、イスラエルの出生率が欧米先進諸国と比べて際立って高いことが明らかになった。 6日付の南ドイツ新聞オンライン版が報じた。
本来、常に紛争や内戦の危機にさらされている国は出生率が低迷するのものだが、イスラエルはこれに反して、女性1人から生まれる子どもの平均出生率が3.1人と多い。先進工業国における平均出生率は1.7人、ドイツは1.5人となっている。イスラエルの中でも特に子だくさんの傾向が強いのが、超正統派と呼ばれるユダヤ教徒のグループと、イスラエル在住のアラブ系住民のグループ。双方とも、一家族の子どもの数は平均3~4人が普通とされている。この理由の一つとして、イスラエルの心理学者ゴゴール・オストロフスキー氏は、「子どもたちは未来への懸け橋であり、より良い未来の象徴」と解説。特に、入植国家であるイスラエルに住むほとんどの人たちが、過去に家族や住む場所などのよりどころを失った経緯を持っており、このため、子どもを作り家庭を持つことが特に重要な意味を持っていると指摘している。
一方で、イスラエルにおける育児に対する公的助成制度は、他の欧州先進諸国と比べて大幅に遅れている。子どもの貧困率もずば抜けて高く、子どもの3人に1人が貧困状態にあることが問題視されている。
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