次世代のエクサスケール・スパコン、中国が試作機を年内完成へ
中国・天津スパコンセンターは昨年、国防科技大学の協力で次世代のエクサスケール(1秒間に100京回の演算能力)スーパーコンピューターの試作機の開発をスタートし、年末までには完成するものと期待されている。中国国営新華社通信が17日に伝えた。
「E級スパコン」と呼ばれる次世代のエクサスケール・スパコンは、人類が共通して直面しているエネルギー危機、環境汚染や気候変動といった重大な問題を解決するのに重要な役割を果たす「スパコン業界における次世代のトップ」として世界的に認識されている。
天津スパコンセンターの応用開発エンジニアであるチャン・ティン氏は、「エクサスケールのスパコンは2020年に完成し、設置・稼働を開始する見通しだ。その演算能力は中国初のペタフロップス級スパコン『天河1号』の200倍になる」と述べた。
演算能力の強化に加え、より重要なのは技術の進展だ。計算密度、単一モジュール計算チップの演算能力、内部データの通信速度などが大幅に改善される。また国産化率がもっとも高いスパコンとなり、チップ、オペレーティングシステム、運行・計算環境などが国産化される。
チャン氏は、「次世代のエクサスケール・スパコンの開発に成功した後は、高性能コンピューティング、クラウドコンピューティング、ビッグデータなどの計算が包括的に実行できるようになり、国の科学技術と地域産業サービスなどのイノベーションを支えるようになる」と述べた。
(写真はイメージ)