米株式週報 トランプの大統領令と決算、投資家心理を左右
1月30日~2月3日のニューヨーク株式市場、ダウ平均株価(30種)は、週前半は、前週に史上初となった2万ドルを割り込む展開となった。トランプ米大統領が難民の受け入れ停止や、イスラム圏7カ国からの入国受け入れ拒否を実施する大統領令に署名したことで投資家心理が落ち込んだ。良好な指標や決算は少なくなかったが、上値の重い展開となった。週末は良好な雇用統計を受けて急上昇し、2万ドルを回復した。
30日のダウは、前週末比122.65ドル下落の1万9971.13ドルだった。トランプ大統領が、難民受け入れ停止と、中東とアフリカ7カ国からの入国制限の大統領令に署名したことで、混乱が広がっている。原油価格の下落も悪材料だった。12月の米消費支出はリーマンショック以降最高の伸び。31日は続落、ダウは1万9864.09ドルだった。米経済への恩恵が大きいと考えられる減税や規制緩和に関するものではない大統領令が連発され、投資家心理を冷やしている。予想を下回る決算も上値の重しとなった。引け後に発表されたアップルの決算は、売上高が過去最高となり、良好な内容だった。
2月1日は反発、ダウは1万9890.94ドルだった。発表された米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明文では、雇用がしっかりしているということと、企業と消費者の心理が良好であることが述べられ、安心感のある内容だった。アップルの好決算を受け、半導体などハイテク株に資金が向かった。2日は反落、1万9884.91ドルだった。引き続き政治への警戒感と、米雇用統計の発表を控え、方向感のない展開となった。引け後に発表されたアマゾン・ドット・コムの決算は、売上高は過去最高を更新したが、市場予想は下回った。3日のダウは、2万ドル台を回復し、2万71.46ドルで引けた。上げ幅は今年最大。金融規制の見直しに関する大統領令に署名されたことで、金融株が買われた。市場予想を大幅に上回った1月の米雇用統計も好材料。ハイテク株中心のナスダックは、過去最高値を更新した。
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