2050年のGDP予想 インドやベトナムが急成長 日本は8位に
英プライスウォーターハウスクーパース(PwC)は7日、2050年の各国の国内総生産(GDP)を予想したリポートを発表した。2050年までにインドが米国を抜き世界2位に、インドネシアが4位になり、現在4位の日本は8位に下がると予想。上位7カ国のうち6カ国を新興国が占めた。最も順位を上げると予想した国はベトナムで、現在の32位から20位に上がるとした。
同リポートでは、GDPを購買力平価(PPP)に基づいて計算している。2016年現在のGDPと、2050年の予想GDPのトップ10は以下のようになる。(2016年基準の恒常10億米ドルベース)
2016年 2050年(予想)
1位 中国 2万1269 中国 5万8499
2位 米国 1万8562 インド 4万4128
3位 インド 8721 米国 3万4102
4位 日本 4932 インドネシア 1万502
5位 ドイツ 3979 ブラジル 7540
6位 ロシア 3745 ロシア 7131
7位 ブラジル 3135 メキシコ 6863
8位 インドネシア 3028 日本 6779
9位 英国 2788 ドイツ 6138
10位 フランス 2737 英国 5369
2050年には、新興7カ国(E7:ブラジル、中国、インド、インドネシア、メキシコ、ロシア、トルコ)は年平均3.5%のペースで成長し、世界GDPにおけるシェアは約50%まで上昇すると予想。一方で、先進7カ国(G7:カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、英国、米国)の成長率は1.6%程度にとどまり、シェアは20%強に低下すると予想している。
PwCのチーフエコノミスト、ジョン・ホークスワース氏は、「多くの新興国の成長は、急速な人口増加や、内需拡大、豊富な労働人口に支えられている。この成長を維持するためには、教育への投資および、マクロ経済的なファンダメンタルズの向上をまず実行し、増大する若年人口に対し十分な雇用を確保する必要がある」と述べた。
一方、1人当たりの平均所得は、先進国では上昇が続くと予想。新興国の所得格差は次第に縮小することが予想されるが、世界の所得水準の完全な収れんには時間を要するという。
(写真はイメージ)