毛髪表面の状態が音楽になる 摩擦感知技術を開発
音楽制作や音響デザインのプロデュースを行う井出音研究所は8日、化粧品メーカーの日本ロレアルと共同で、髪の毛の状態を音楽に変換するアルゴリズムを開発したと発表した。この研究は、第29回国際化粧品技術者大会(The 29th IFSCC Congress)で最も優れた基礎研究に与えられる「IFSCC基礎研究賞」を受賞した。
髪の毛が健康かダメージを受けているかは、髪の表面構造に現れるという。研究チームは、毛髪表面の摩擦のわずかな変化を高感度センサーで感知して、リアルタイムで音楽に変換するアルゴリズム「soniphy」を開発。ダメージが多い髪では摩擦が大きくなり、ダメージが少なければ摩擦は小さくなることを利用して、髪の表面をなぞりながら検出された摩擦の度合いによって音の高さや音色、アレンジに変換して音楽にするというもの。
同研究所はこれまでも、脳血流や人の体の中の分子の動きを音に変換する技術を開発。脳血流からの変換技術は、病気等によって感情表現が難しい患者の支援法などで研究が進められており、体内分子から変換した音楽は病院のロビーに流されるなどして活用されているという。
化粧品など、メーカーの商品を使ったことによって自分の状態がどう変化したか、消費者がより明確に体験できるようにする手法は、近年重要視されているという。
冒頭の写真は、日本ロレアル リサーチ&イノベーションセンター プレスリリースより
http://elphonic.com/Release201703/