フェイスブックが自殺防止のためのAIツールをテスト中
米国フェイスブックが自殺を防止するために、AI(人工知能)を用いた新しいツールをテスト中であると、英国の科学専門雑誌『ニュー・サイエンティスト(New Scientist)』が1日に報じた。AIによって、自殺の懸念がある人の投稿を特定し、他の人がそれを容易に報告できるようにするというもの。
ファイスブックによると、パターン認識アルゴリズムを用いて、自殺のおそれがありそうな人の投稿を見分け、その友人が警告を発することができるようにする。その際、「自殺および自傷」に関する投稿を報告するためのオプションを使用する。これにより、潜在的に自殺の懸念のある人たちを、よりはっきりと分かるようにする。使用されるアルゴリズムは、これまでに報告された投稿を用いて学習することになる。
また、パターン認識を用いて「自殺思考を含んでいる可能性が非常に高い」投稿を見分けることで、その投稿が報告されていなくても、コミュニティ・オペレーション・チームが行動を起こせるようにする。オペレーション・チームは、その人が助けを必要としているかどうか投稿内容を確認し、必要と判断すれば直接支援を行う。このシステムのテストは現在、米国内の少数のユーザーに対して行われているという。
このツールについて、英国のメンタルヘルスの慈善団体であるマインド(Mind)は、良いアイデアだと述べている。「危険な状態にある人々が、必要な助けを得ることが容易ではない場所にいながらも、助けを求めることができる」という。
また、同じくメンタルヘルスの慈善団体であるSANEも自殺の危険がある人を特定し、サポートするための新しいオンラインツールを歓迎している。「しかし、これは人が関わることの代わりをするものではない」と言い、「必要なのは、時間、忍耐そして、人が最も深い暗闇の時間を過ごしているときに、それをサポートする人の思いやりだ」としている。
(写真はイメージ)