花便り~オオイヌノフグリ
道端や野原に”青い星”が散っているような光景を、昔はよく見かけたものだ。都心では探すのも一苦労だが。
オオイヌノフグリという、このコバルトブルーの小さな花はヨーロッパ原産。今では日本各地に自生しているが、日本に入ってきたのは明治時代といわれている。日本には元来、イヌフグリという同属の花があり、それよりも花が大きいことからオオイヌノフグリという名がついた。別名には、星の瞳、瑠璃唐草、天人唐草という可愛らしい名がある。
日が当たると花開き、日が沈むと花は閉じ、ほとんどの花は一日で落ちる。春に一斉に花をつけるが、春の終わりには花も終わり、種子のまま夏を過ごす。秋には芽を出し、冬、他の植物が眠っている間に地面に広がって育つ。
3月も後半に差し掛かり、あちらこちらで花を見かけるようになった。散歩をしながら、また通勤途中でも、コバルトブルーの星を探してみてはいかがだろうか。
花言葉:信頼、神聖、清らか、忠実
オオイヌノフグリ:オオバコ科クワガタソウ属の越年草