南米で蛍光を発するカエルを発見 アルゼンチン研究チーム

南米で蛍光を発するカエル発見 アルゼンチン研究チーム

ブエノスアイレスにあるアルゼンチン国立自然科学博物館のカルロス・タボアダ氏らの研究チームが、自然の状態で蛍光を発するカエルを発見した。南米で一般的な樹上性のカエルだという。米科学アカデミー紀要(PNAS)電子版で13日に発表された。

「蛍光」と書くが、ホタルのように自ら光る「生物発光」とは異なる。蛍光は、エネルギーの高い紫外線や青色光を浴びることで、よりエネルギーが低い緑から橙、赤に光ることをいう。

生物が蛍光を発するのは、互いの識別やコミュニケーションなどいくつかの役割があると考えられる。海ではサンゴが蛍光を発するため、そこを住みかとする多様な魚も蛍光を発する。2015年には爬虫類のウミガメでも見つかっている。しかし、陸上では珍しく、これまではオウムぐらいでしか知られていなかった。

今回見つかったカエルの場合、蛍光によって黄昏時や満月の夜にはカエルの明るさが18〜29%向上していた。自分の明るさを大幅に高めることで、暗いところを見る視力の感度に合わせていたと考えられる。一般的に陸上環境では蛍光の影響は無関係であると考えられていたが、今回の発見により、カエル以外の生物も蛍光を持っている可能性が考えられ、今後、新しい蛍光物質の発見にもつながることが期待される。

画像提供: Julián Faivovich ・Carlos Taboada

 
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