【世界が見える! 米株ウォッチ】米中会談など控え小動き 地政学リスク意識
アメリカ株式市場で見る世界動向通信
4月3~7日のニューヨーク株式市場、ダウ平均株価(30種)は、米中首脳会談や金曜日の雇用統計発表を控えて動きにくい展開だった。ロシアのテロや北朝鮮のミサイル発射など地政学リスクの高まりが不安材料となった。
3日から4月相場がスタートしたが、大統領選直後と比較すると上昇意欲が弱まっている状態。3日のダウは前週末比13.01ドル下落の2万650.21ドルだった。リビアが原油の生産を再開したことを受け、原油価格が下落したことが影響した。3月の新車販売も低調で悪材料だった。
4日は小幅に上昇、ダウは2万689.24ドルだった。ロシアのサンクトペテルブルクでの地下鉄テロの影響で欧米市場はリスクオフ基調。6日からの米中首脳会談、7日の雇用統計を控え、動きにくい展開だった。原油が上昇し好材料となったが、ロシアのテロや景気不安の中、金は買われ高値をつけた。
5日は反落、ダウは2万648.15ドルだった。民間の雇用布告の結果が良好だったことを受け、ダウは一時200ドル上昇したが、連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨の公表を受けて下落で取り引きを終えた。議事要旨では、保有資産の縮小について触れられており、今後の経済活動や利上げの先行きに不透明感が生じた。この日は北朝鮮が新たにミサイルを発射したことが報じられた。
6日は小幅に上昇、ダウは2万662.95ドルだった。重要イベントを控えて動きにくい展開だった。トランプ米大統領が、シリアや北朝鮮に対して強硬な姿勢で臨むことを表明していることが伝わると、ダウは下げ幅を拡大した。
7日は小幅に下落、ダウは2万656.1ドルだった。ニューヨーク連邦準備銀行のダドリー総裁の発言で、先行きが不安になっていた利上げペースへの不安が払拭されたことが好材料となった。米国がシリアを空爆したことを受けて防衛関連銘柄が急伸した。注目されていた雇用統計は予想を下回る結果となり、好材料とはならなかった。
(写真はイメージ)