人口減少が緩やかに 1億人割れは2053年
厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所は10日、2065年までの50年間の日本の人口を予測する「将来推計人口」を公表した。総人口は53年には1億人を割り込んで9924万人となり、65年には15年比3割減の8808万人に減少すると試算。人口減少と高齢化のペースは、5年前の前回推計に比べて、やや緩やかになるとの見通しを示した。
65歳以上の高齢者が総人口に占める割合「老年人口割合(高齢化率)」は、15年の26.6%(3387万人)から65年では38.4%(3381万人)に上昇。65年時点の老年人口(高齢者数)自体は15年と大きく変わらないが、総人口が減少するため、老年人口割合が大幅に上がることとなる。
1人の女性が生涯に産む子どもの数を示す「合計特殊出生率」は、近年、30~40代女性の出生率の実績が上昇していることを受けて、前回推計よりもやや改善。1.35から1.44に上方修正された。政府は「ニッポン一億総活躍プラン」(2016年6月閣議決定)において、「希望出生率1.8」の実現を政策目標に掲げているが、その目標の実現には厳しい状況だ。
これらの結果から、日本の総人口は15年に1億2709万人、53年に1億人を割り込み9924万人、65年には8808万人へと減少する見通し。前回推計では1億人割れの時期が48年だったが、前回に比べて5年遅くなると試算した。
また、平均寿命は前回に比べると、男性は80.75歳から84.95歳、女性は86.98歳から91.35歳まで伸びると見込んでいる。
出生率の上昇により人口減少のペースは緩やかになったものの、依然として少子高齢化が進行している現状が浮き彫りとなる結果になった。
将来推計人口は国勢調査の結果に基づいて5年に一度改定しており、前回の推計は12年。
(写真はイメージ)