震災から1年 「強い熊本」PR動画で発信
2016年4月14、16日、大震災に見舞われた熊本県。あまり知られていないが、熊本県は過去に何度も震災に遭いながらも見事に復活を遂げた歴史があった。「強い熊本」を知ってもらおうと作られたPR動画が、昨年末からインターネットで公開され話題になっている。面白くも感動的な動画には、地震からの復興を成し遂げようとする熊本県の希望が感じられる。
熊本県の動画プロモーション事業では、移住・定住だけではなく震災の風評被害を払しょくするため、2016年10月に企画コンペを実施した。動画の主人公は、江戸時代に熊本県に移住していた剣術家・宮本武蔵。本編は震災があったことを感じさせないコミカルな内容で始まるが、最終回では過去に2度(元和5(1619)年、寛永2(1625)年※)の大震災に打ち勝ち復興をとげた熊本の強さが表現されており、今回の熊本地震からも必ず復興するという希望が感じられる内容となっている。動画作成の際は、他の自治体のPR動画に埋もれない「インパクトのある動画」「話題性のある動画」を念頭において動画を制作したそうだ。
熊本県は「単に元あった姿に戻すだけでなく、創造的な復興を目指すこと」を掲げた復旧・復興支援プランを元にこの1年間で震災復興のためのさまざまな取り組みを行ってきた。生活の再建、社会基盤の復旧だけでなく、東京都と熊本、大分を結ぶ観光ルート紹介HPの立ち上げや、JR東日本がシンガポールに開設したカフェでの中継によるPRなど、熊本の自然や特産品といった魅力を国内だけでなく海外にも知ってもらおうという取り組みも目立つ。今後、訪日外国人観光客が増えてくる中で、今回の動画も外国語の字幕をつけることも検討しているとのことだ。
※寛永17(1640)年時点(動画中の時代設定)。2016年4月まででは県内に被害が出た震度4以上の地震は20回を超す。
動画「くまもと移住前夜 宮本武蔵」
http://www.ijuzenya.com/
(写真はイメージ)