NASAのケプラーミッション 地球の「いとこ」惑星を発見

米航空宇宙局(NASA)は23日、ケプラー宇宙望遠鏡の観測結果から、太陽よりも少し年上の恒星の周囲を公転する、地球の「いとこ」のような惑星を見つけ、「ケプラー452b」と名付けた。

惑星の直径は地球の1.6倍、質量や組成はまだわからないが、地球と同様な岩石タイプの惑星とみられ、恒星「ケプラー452」の周りを385日かけて公転している。この恒星は温度が太陽とほぼ同じで、大きさは太陽より1割大きく、明るさは太陽の2割増し。誕生からおよそ60億年経っており、46億年の太陽よりも少し年上だ。惑星と恒星の距離は地球と太陽の距離よりわずかに5%だけ離れているが、液体の水が存在可能な「ハビタブルゾーン」に存在している。これまでにもケプラー宇宙望遠鏡によって、ハビタブルゾーンにある岩石タイプの惑星は見つかっていたが、太陽と同じG型主系列星の恒星の周りで見つかったのは初めて。

ケプラー宇宙望遠鏡は、太陽系外の惑星を見つけることを目的に2009年3月に打ち上げられ、3年半に渡ってはくちょう座方向の10万個の恒星を観測した。2011年12月に発表された「ケプラー22b」はハビタブルゾーンに存在しており、太陽と同じG型主系列星の周りを290日で公転していて、直径は地球の2.4倍ある。2014年4月に発表された「ケプラー186f」の直径は地球の1.11倍で、ハビタブルゾーンに存在しているが、明るさが太陽の4%しかない赤色矮星の周りを130日で公転している。

なお、「ケプラー452b」は地球から1400光年離れた位置にあるので、光の速度で移動する探査機があったとしても1400年かかる。現在、もっとも速いスピードで飛んでいるボイジャー1号でも秒速17kmなので、2470万年かかる計算だ。また、ハビタブルゾーンは惑星表面に液体の水が存在できるというだけで、水があることを保証するものではないので注意が必要だ。直径が地球の1.6倍ということは、体積はその3乗で地球の4倍にもなる。

地球の「いとこ」と聞くと地球に似ているようにも感じるが、お盆などで親戚が集まっても「いとこ」同士は似ていない。地球のような惑星を探すことを通じて、むしろ地球という惑星の貴重さが際立つようだ。

NASAのケプラーミッション 地球の「いとこ」惑星を発見
画像提供:NASA/Ames/JPL-Caltech