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JAXA、超音速飛行時のソニックブーム低減技術の飛行試験に成功

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は27日、超音速飛行時に発生する衝撃波による爆音「ソニックブーム」を低減する技術の飛行試験に成功したと発表した。

実験は24日にスウェーデンで行われ、機体の先端・後端共にJAXA独自の「低ソニックブーム設計概念」を適用した航空機形状の試験機を気球に吊り下げ、高度30kmで切り離した。落下により超音速に達した機体を滑空させ、発生したソニックブームを地上に設置した複数のマイクロホンで計測した。今後の詳細解析で、計測したソニックブームが設計通りに低減されているかを確認する。

かつて英仏が共同開発した超音速旅客機「コンコルド」は、ソニックブームを理由に海上でしか超音速飛行を認められず、燃費の悪さや飛行距離が短いことなどもあって2003年に退役した。次世代の超音速旅客機には、ソニックブームを抑える技術の開発が最重要課題の1つと言われている。来年2月に開催される国際民間航空機関(ICAO)の航空環境保全委員会(CAEP)総会では、ソニックブームに関する国際基準の策定に向けた議論が行われる。JAXAとしては、今回の試験で得られた成果をもとに、国際基準について技術的な議論を進めていく方針だ。

画像提供:JAXA