がん患者の遺伝子検査を無償に 近大がクラウドファンディング
近畿大学医学部ゲノム生物学教室の研究チームは、がん患者にがんの遺伝子解析を無償提供するための資金調達を目的としたクラウドファンディング「近大クリニカルシーケンス」を23日から開始した。8月10日までの80日間で400万円の調達を目指す。
クリニカルシーケンスは、患者の遺伝子を解析して診断・治療に役立てる検査技術。一人ひとりで異なるがんの性質を高精度で解析し、さまざまな選択肢の中から最適な治療法を検討する個別医療が可能になる。現状では、そのような高度医療が提供できる施設や研究者の数は十分ではなく、また健康保険が適用されないため、患者の負担が大きい。同大医学部では、過去4年間は公的研究資金などによる支援を受け、遺伝子解析を無料で患者に提供してきた。
今回のクラウドファンディングによって、特に若年層(15~29歳)や、稀ながんで標準的治療が定められていない対象者へ、約200件の遺伝子解析を無償提供することを目指す。がん患者を支援するとともに、解析で得た情報を活用することで、より精度の高い最適な治療法を提供する研究が可能になる。
画像提供:近畿大学医学部