世界最強AI「アルファ碁」が引退表明 今後は医療・科学分野へ
米グーグルの子会社である英ディープマインド(DeepMind)のデミス・ハサビス最高経営責任者(CEO)とデビッド・シルバー研究員は27日、中国で人工知能(AI)「アルファ碁(AlphaGo)」がプロ棋士と対戦した囲碁大会「Future of Go Summit」の結果を受け、アルファ碁が引退することをブログで表明した。今後、医療や科学分野のアルゴリズム開発に活用するという。
アルファ碁は世界最強とされる
アルファ碁の研究チームは今年の終わりには学術論文を発表し、次の囲碁AIの開発者にバトンを渡すという。アルファ碁での成果を踏まえ、今後は疾患の新たな治療法の発見、エネルギー消費の大幅な削減、革新的な新素材の発明など、複雑な問題に取り組む科学者をサポートする高度な一般アルゴリズムの開発を目指す。また、リクエストが多かったアルファ碁の考え方の筋道が見られる「研究ツール」の開発に取り組むほか、アルファ碁同士の対戦の中から厳選した50の対局を公開する。
最後に「アルファ碁の感動と洞察を新しい分野に広げ、最も重要で急がれる科学的課題に取り組もうとしている。アルファ碁はただ始まりに過ぎない」とコメントした。
参考記事
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画像提供:DeepMind