野辺山45メートル電波望遠鏡、IEEEマイルストーン認定
国立天文台と三菱電機は14日、両者が開発した野辺山45メートル電波望遠鏡が、米国の電気電子技術者協会(IEEE、アイトリプルイー)が電気通信分野の歴史的業績と認めた製品に贈る「IEEEマイルストーン」に認定されたと発表した。
野辺山45メートル電波望遠鏡は、1982年に完成した当時世界最大のミリ波電波望遠鏡。巨大ブラックホール発見などの成果をあげ、現在も第一線で使用されていることなどが評価された。1967年から構想され、世界の電波望遠鏡の最大が口径11メートルだった時代にその4倍以上の大口径を目指した。大型の機械構造物が変形せずに目的の方向を指向できるよう、多くの画期的な新規技術を開発・投入。それらの技術が現在の大型望遠鏡やアンテナの必須技術となった。観測開始から35年経過した現在もミリ波の観測では世界最高性能の電波望遠鏡の一つとなっている。
林正彦国立天文台長は、「たいへんな栄誉でありまことに喜ばしく思う。45メートル電波望遠鏡は、日本が初めて臨んだ大型望遠鏡計画であり、巨大ブラックホールの発見など画期的な成果を挙げ、その後のすばる望遠鏡やアルマ望遠鏡への端緒となるものだった」と述べた。
「IEEEマイルストーン」は、開発から少なくとも25年以上経過した電気・情報・通信分野の業績に対し、地域社会や産業の発展に多大な貢献をしたものを認定・表彰する制度。国立天文台が「IEEEマイルストーン」の認定を受けるのは今回が初めて。三菱電機は、これまでに気象庁の「富士山レーダー」(2000年認定)とKDDIの「太平洋横断TV衛星中継」(2009年認定)に製造業者として関わったほか、「MUレーダー(中層超高層大気観測用大型レーダー)」(2015年認定)で京都大学生存圏研究所とともに認定を受けている。
画像提供:東京天文台
参考記事
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