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強制移住者の数が過去最高に 国連世界難民の日

強制移住者の数が過去最高に 国連世界難民の日

6月20日の世界難民の日に合わせて国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、「世界における強制移住の傾向2016年版」を発表。2016年に記録された強制移住者の数は統計開始以来過去最悪の数字であることが明らかになった。20日付の独フランクフルターアルゲマイネ紙オンライン版が伝えた。

UNHCRが発表した難民および国内避難民を含む強制移住者の数は6560万人。これは英国一国の人口を上回る数字で、世界人口比では113人に1人が強制移住状態にあることになるという。さらに世界全体の難民の半分が子どもと若者であることが報告されている。

国連は2001年に6月20日を「世界難民の日」と定め、以来この日に難民に関する年間統計を発表し、同問題に対する注意喚起を促してきている。強制移住者6560万人は、国内避難民、難民および庇護申請者の3通りのグループに区分され、この中で最も多いのが、自国にいながら強制移住を強いられている国内避難民で、この数は4030万人に上る。出身国別で最も多いのがシリア、イラク、コロンビアとなっている。

一方、国外難民の数は2250万人だった。最も多くの難民を受け入れている国はトルコで290万人。このうち98%の難民がシリア出身となっている。シリア全体で難民状態にある人の数は550万人で世界最多、これにアフガニスタンが250万人と続いている。また2016年に難民の数が急激に増えた地域は南スーダンで、同地域からの避難者は140万人に上っている。3つ目のグループとなる庇護申請者の数は合計280万人。この受け入れ数が最も多い国は、米国とドイツとなっている。

国連難民高等弁務官のフィリッポ・グランディ氏はこの現状について「(難民を生み出す)紛争の解決に向けて、共同で団結しなければいけない緊急事態」とコメント。一方で、難民受け入れに対する各国の規制が厳しくなっており、難民問題が政治的に扱われていることに批判の矛先を向けた。

 
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