絶滅危惧種シマフクロウが7年ぶりにふ化 釧路市動物園
釧路市動物園は20日、同園で7年ぶりに絶滅危惧種で国の天然記念物のシマフクロウのヒナが4月10日に誕生し、現在順調に成長していると発表した。同園によると7年ぶりのふ化で、人の手を介さない自然育雛のためしばらく様子を見守っていたが、育雛が順調に行ったため公表したという。なお、親子は非公開のゲージで飼育していて、来園者は見ることができない。
同園がシマフクロウの保護増殖に取り組んだのは1993年から。当時上野動物園(東京都)と平川動物公園(鹿児島県)にいた個体も集められ、1994年に初のふ化に成功。これまでに17回21個の卵をふ化させており、今回のヒナは22個目の卵から誕生した。
シマフクロウは、環境省のレッドリストで絶滅危惧IA類に指定されている。日本では北海道と北方領土に約140匹生息している。同園で4月にシマフクロウが抱卵を放棄した卵を近縁種のワシミミズクに託す試みも行ったが、そのときは卵が細菌感染していたとみられ、ふ化はしなかった。
画像提供:釧路市動物園
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