歯の健康と健康長寿の関係 東北大が調査
自分の歯が多く保たれている人ほど寿命が長く要介護の期間が短いことが、東北大学の松山祐輔歯科医師らの調査により明らかになった。研究成果は13日付の米国科学誌『ジャーナル・オブ・デンタル・リサーチ(Journal of Dental Research)』に掲載された。
研究グループは、約7万7000人の高齢者を3年間追跡したデータから、要介護になる前の歯の本数と寿命・要介護でいる期間の関連を調査。喫煙、飲酒、BMIなどの影響を取り除きデータを分析した結果、男女ともに歯の本数が多い人ほど、寿命が長いことが明らかになった。さらに、制限なく日常生活できる期間を意味する「健康寿命」も歯の本数が多い人の方が長く、要介護の期間も短かった。85歳以上では、歯が20本以上ある人は、0本の人に比べて健康寿命が男性で92日、女性で70日長く、要介護でいる期間が男性では35日、女性で55日短かったという。
厚生労働省が発表している最新データ(2013年)によると、男性の健康寿命は71.19歳、女性は74.21歳で、平均寿命との差は男性9.02歳、女性12.40歳となっている。健康寿命と平均寿命との差が小さいほど、日常生活に制限のない期間を過ごすことができることを意味する。厚労省が出している健康日本21(第2次)では、健康寿命の延伸と、寿命と健康寿命の差を小さくすることを目標として掲げている。
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