月の内部に大量の水が存在 米ブラウン大
米ブラウン大学のラルフ・ミリケン准教授らは、インドが2008年に打ち上げた月周回探査機「チャンドラヤーン1号」によって得られた観測データを解析したところ、水を含む堆積物が月面に広く分布していることから、月の内部に広い範囲で水が存在していることが分かったと発表した。英科学誌『ネイチャー・ジオサイエンス』で24日に掲載された。
これまでもアポロ計画で採取されたサンプルの実験室での分析結果から、月の内部は地球のように多くの水を含んでいると主張されてきた。しかし、そのサンプルが例外的なもので、月の内部の大部分は乾燥しているという可能性もあった。
ミリケン准教授らが近赤外線反射スペクトルを改めて解析した結果、月面の多くの火山砕屑堆積物(噴出した火山灰などの固形物が堆積したもの)に水分子やヒドロキシ基が存在することを明らかにした。今回、大規模な火山砕屑堆積物では150ppmの水分量が推定でき、場所によっては潜在的に約300〜400ppmの水分量が推定できた。これらの水を含む堆積物が月面に広く分布していることから、月の内部にかなりの量の水があると言える。したがって、アポロ着陸地点で採取されたサンプルは例外的なものではないことが分かった。
画像提供:米ブラウン大学