燃えるごみの焼却残さから高付加価値材料 産総研と三井造船
産業技術総合研究所(産総研)は25日、燃えるごみを焼却した残りかすから高付加価値材料である「高比表面積シリカ」を製造する技術を三井造船と共同開発したことを発表した。
都市ごみ清掃工場で燃えるごみを処理した際に、「溶融スラグ」とよばれるガラス状固形物が生じる。溶融スラグは、道路用のアスファルト骨材やコンクリート用骨材などに利用されているが、現在、全国で年間約80万トンもの溶融スラグが発生しており、さらなる活用方法が求められていた。
産総研と三井造船の共同研究グループは今回、溶融スラグに化学的な処理を加えることで、高比表面積シリカの製造に成功。得られた高比表面積シリカは吸着剤、コーティング剤、タイヤや合成ゴムなどの添加剤、触媒担体など、さまざまな用途への利用が期待される。また、従来の高比表面積シリカの製造方法と比べて、製造時における省エネルギー化や二酸化炭素排出削減も期待できるという。
数年後の実用化を目標に、今後、反応条件の改良や製造の規模の拡大化に取り組んでいく。
画像提供:産総研・三井造船