パナソニック、居眠り運転の抑制に向け眠気を制御する技術を開発
パナソニックは、ドライバーの居眠り運転を防ぐため、カメラ画像による目のまばたきや顔の表情から眠気の検知と予測を行い、 空調を使った方法などで眠気を抑制する技術を開発した。今後は、自動車に搭載する眠気制御システム開発を目指し、今年10月からサンプル対応を開始する予定だ。
同社は、目のまばたきや表情などに関するデータを収集し、約1800種類に及ぶ特徴と、眠気の関係を生理学的な観点に基づいて分析。そのデータを基に、眠気レベルを推定する独自の人工知能(AI)を開発した。例えば、人は眠くなると上まぶたが下がり、目を開いてから閉じるまでの開口幅が狭くなると共に、まばたきの速度が遅くなる。この眠気の兆候を利用し、カメラ画像から人の目の輪郭を抽出して、まぶたの開口とまばたきの速さの時間変化を計測することで、眠気を検知することが可能になる。
また、一定時間が経過した後の眠気と人の体の放熱量には関係性があることを明らかにし、独自の赤外線アレイセンサを使って、人体からくる放熱量を接触することなく測定する技術も開発した。これと周囲の明るさの情報と合わせて、眠気の推移を予測する。
このように予測した眠気のレベルに応じて、人がいる空間の温度や風量を、快適さを損なうことなく制御することで、 眠気を抑制させる。ただし、カメラ画像で分析した時点での眠気レベルが既に高い場合は、緊急な眠気制御として音声などによるアラートや休憩指示が必要になる。
画像提供:パナソニック