日本人の投資姿勢 投資より貯蓄、退職後への不安意識
世界最大の資産運用会社 米国ブラックロックは、世界18カ国・地域、約2万8000人を対象とした投資家動向調査を実施。6割近くの日本人が投資を検討したことがあるものの、資産運用の安全性を最重要と考える姿勢が明らかになった。
投資検討も安全性重視
調査では、58%の日本人が「過去1年以内に、預貯金を投資に回すことを検討した」と回答。米国の45%やドイツの35%を上回った。一方で、投資を検討する人の中では「投資元本の安全性」を40%の人が最も重視すると回答しており、投資を検討したことがないと回答した人のは「元本が割れるリスクを懸念している」が35%で最も多かった。日本人が運用において資産の安全性を最重要と考えている姿勢が明らかになった。
また、日本人の現金保有比率は75%と、海外平均の59%と比べて高い水準で、前回調査の69%からさらに増加していたことが分かった。株式や債券などで保有する割合はそれぞれ10%に満たない。また、資金面の優先事項については「貯蓄に励むこと」という回答が48%と最も多く、年齢が若いほどこの傾向が強いことも分かった。
将来への経済不安で「悲観」7割に
将来の経済状況に対しては、「悲観的である」と回答した日本人は71%で、前回調査時と同じ割合となった。悲観的である要因については前回調査から変化があり、前回に比べて上昇した要因は医療費、増税、退職後の資金不足の3つ。前回調査で多かった医療費と高い生活費から、将来不安に感じる要因が変化している。年金が十分に受け取れない可能性を意識し、退職後の生活への不安を表した回答が増加している。
同調査は、金融資産1000万円以上の25~74歳の男女、日本人は1000人を対象に調査を実施。2017年1月に実施しており、今回で3回目。
(写真はイメージ)