温暖化による気温上昇が穀物の生産性に影響
農研機構農業環境変動研究センター(以下、農研機構)の8月28日の発表によると、トウモロコシや大豆といった主要穀物が、気温上昇により収量に大きな影響を受けていることが分かった。
農研機構は国際農林水産業研究センター、国立環境研究所と共同で、気候変動が主要穀物(トウモロコシ、米、小麦、大豆)の収量に及ぼす影響を予測。収量とは、単位面積当たりの生産量で生産性を意味する。この結果、トウモロコシと大豆に関しては、産業革命以前(1850~1900年)から今世紀末(2091~2100年)までの約200年で気温が1.8℃上昇するだけで、世界平均での生産性増加が抑制されることが判明。気温の上昇が大きいほど将来の生産性が抑えられることが分かった。
米と小麦は、今世紀末の気温上昇が3.2℃を超えると生産性増加が停滞し始めるものの、それ未満の場合は影響があまりないことが分かった。ただし、低緯度地域などでは悪影響を受ける場合があるという。
上記の予測結果から、今後気候変動の下で継続的に穀物の生産性を増加させるためには、2000年頃までに開発された増収技術の普及を開発途上国でさらに進めることが重要と見られており、また肥料や生産性の高い品種の利用のみならず、高温耐性のある品種や