7月の富士山登山者、前年比21%減少
環境省は11日、富士山8合目における今年7月の登山者数の合計が7万8812人となり、昨年の同時期に比べ21.3%減少したと発表した。2009年以降で最も少ない。なお、最も多かったのは世界文化遺産に登録された2013年の13万6328人。
同省では、四つの登山道(吉田ルート、須走ルート、御殿場ルート、富士宮ルート)のそれぞれ8合目付近に赤外線カウンターを設置して、山頂部への登山者数調査を実施。昨年に比べ、最も大きく登山者数が減少したのが須走ルートの8228人で39.7%減。昨年7月中のマイカー規制期間が10日間だったのが、今年は海の日以後にも規制が延長され18日間に及んだ影響と見られる。他のルートも、吉田ルートは4万5845人で22.1%減、御殿場ルートは5590人で12.1%減、富士宮ルートは1万9149人で10.2%減だった。
日別データで見ると、台風11号が去った直後、海の日の前日の19日(日)が4登山道の合計で7687人と最多だった。最も少なかったのは台風11号が来ていた17日(金)で45人。ただし、須走ルートでは16日から18日、御殿場ルートでは16日から19日に台風11号のために赤外線カウンターを撤去しており、これらのルートから台風の中、山頂部に向かった人数はカウントされていない。
8月も含めた富士山8合目における登山者数は、2008年から昨年まで30万人程度を維持してきた。登山者数の減少の原因が、神奈川県の箱根山・大涌谷の噴火の影響などである場合、8月の登山者数も昨年より減少する可能性もある。8月末までのデータを加えた次回の発表は、9月中旬の見込みだ。
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