【世界が見える! 米株ウォッチ】ハリケーンや北朝鮮リスクも反応は限定的
アメリカ株式市場で見る世界動向通信
8月28日~9月1日のニューヨーク株式市場、ダウ平均株価(30種)は、米南部テキサス州を直撃した大型ハリケーン「ハービー」の影響や北朝鮮のミサイル発射などで下げる場面もあったが、1週間を通しては100ドル以上の上昇となった。今後の税制改革への注目が集まる。
8月28日は前週末比5.27ドル下落の2万1808.40ドルだった。ハービーの被害の全貌が分からない中、取引が手控えられた。ハービーの影響で米国の原油関連施設の16%が閉鎖され、原油価格が下落。エネルギー関連株が売られた。被害状況が分からない中、損害保険関連株も売られた。ただ、トランプ大統領が税制改革について何かしら行動を取ることが期待されており、小幅な下落にとどまった。
29日は上昇、2万1865. 37ドルだった。米国時間の前日夕方に北朝鮮がミサイルを発射し、地政学リスクが意識され、130ドル以上下落する場面もあった。米国の消費関連指数が予想を上回る良好な結果だったことや、米朝は軍事衝突には至らないとの見方が広がったことから、ダウは上昇で取引を終えた。
30日のダウは上昇、2万1892.43ドルだった。民間の雇用統計が良好な結果だったことや、地政学リスクへの警戒感が弱まったことで市場に安心感を与えた。ただ、金曜日発表の雇用統計を前に、動きにくい展開でもあった。
31日は上昇、2万1948.10ドルだった。物価の伸び悩みで、米連邦準備理事会(FRB)による利上げペースの鈍化が意識され、株式市場への資金流入が続くとの見方から市場に安心感が広がった。ハイテク株とバイオテクノロジー関連株への資金流入で、ハイテク株の割合が高いナスダックはおよそ1か月ぶりに最高値を更新した。
9月1日のダウは上昇、2万1987.56ドルで取引を終えた。注目の雇用統計は市場予想を下回る結果だったが、季節調整の影響が意識され、株価への影響は限定的だった。ナスダックは連日の高値更新となった。週明け月曜日の米国はレイバーデー(労働者の日)でニューヨーク市場が休場となるため、連休前の利益確定の売りに押され、上昇幅は限定的だった。
(写真はイメージ)