東京都など、小笠原諸島南硫黄島を10年ぶりに調査

小笠原諸島南硫黄島、10年ぶり調査で希少な固有種を確認

東京都、首都大学東京、日本放送協会(NHK)は、固有種が多いことで知られ、世界自然遺産にも登録されている小笠原諸島の南硫黄島で自然調査を10年ぶりに実施。結果を12日に発表した。希少な海鳥「アカアシカツオドリ」の集団営巣地を国内で初めて確認するなどの成果があった。

6月13~28日にかけて鳥類、植物、昆虫、陸産貝類などを調査。立ち入れない場所はドローンを使った空撮で記録調査した。

動物の調査では、アカアシカツオドリの集団営巣地を国内で初めて確認。これまで、個体が樹上にとまる姿は多数確認されていたが、今回ドローンにより営巣を撮影した。また、昆虫ではミナミイオウスジヒメカタゾウムシを再発見。これまで1981年の調査隊が持ち帰った標本1つのみだったが、今回の調査で再確認した。陸産貝類では、南硫黄島で初めて記録された種を3種確認し、そのうち1種は新種と考えられるという。

植物では希少なラン科植物を発見。シマクモキリソウもしくは未記載種であると考えられ、国立科学博物館で現在調査している。シマクモキリソウは戦前に父島で確認されているが、82年の南硫黄島調査以来、記録がなかった。シマクモキリソウとすれば、南硫黄島では35年ぶりの再発見となり、標本採取は79年ぶりとなる。

南硫黄島は、小笠原諸島で最も原生の自然が保たれている無人島。自然環境保全法で立ち入りが禁止されており、文化財保護法で天然記念物とされている。

画像提供:東京都

 
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