地球温暖化で今世紀末にアジアの氷河の多くが消失か
地球全体での気温上昇が1.5℃に抑えられたとしても、アジアの高山地域では2.1℃の温暖化となり、同地域の氷河の氷質量は今世紀末までに57~71%しか残らないだろう――。このような研究結果を14日、オランダのユトレヒト大学フィリップ・クラーエンブリンク氏らが英科学誌『ネイチャー』に発表した。同研究グループは、氷河の消失がアジアの水供給に深刻な影響を及ぼす可能性を指摘している。
ヒマラヤ山脈、カラコルム山脈、
国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)では、4つの代表的濃度経路(RCP)シナリオが策定されており、気温上昇を1.5℃未満に抑えるという目標はこの中で「最良」のシナリオ。「2100年以降に安定化する」、または「2100年以降も上昇が続く」とされた予測では、今世紀末までに氷河の氷質量の49~64%が消失する可能性があるという。
画像提供:「ネイチャー」