18日は敬老の日 英エリザベス女王の長寿の秘訣とは?
9月18日は敬老の日。毎年9月の第3月曜日に定められたこの日は、国民の祝日に関する法律によると、「多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う」祝日だ。
海外の国でも同じ趣旨の日はあるのだろうか。米国では、9月の第1月曜日の次の日曜日が「祖父母の日」とされているほか、フランスやドイツでは「祖母の日」とされるものがカレンダーに定められ、祝われているようだ。
多年にわたり社会につくしてきた長寿の著名人の代表と言えば、英国のエリザベス女王が挙げられる。日本の一般企業の定年退職の年齢が60~65歳であるこの時代、今年の4月に91歳の誕生日を迎え、65年余りの在位期間を継続し、今もなお社会の第一線で活躍をし続けていることは賞賛に値する。
英国のインディペンデント紙が7月に紹介した、「女王が朝食、ランチ、ディナーで食べ、飲むもののすべて」を読めば、彼女の長寿の秘訣の一端がその食生活にあることがうかがえる。「女王の食事」と聞けば、毎日素晴らしく豪華でぜいたくな食卓を楽しんでいるようなイメージが浮かぶが、実際はそうではなく、女王は決して美食家ではないそうだ。現王室料理長のフラナガン氏は週に2回、食事のメニューを女王に提示し、それに女王が〇×をつけて、実際のメニューが決まるのだそう。
典型的な女王の1日の食事を見てみよう。
朝食
起きるとアールグレイの紅茶とビスケットを口にする。その後フルーツとシリアル、もしくはトーストとマーマレード、たまにスクランブルエッグとスモークサーモンとトリュフを付ける。
昼食の前にはスライスレモンとたっぷりの氷のはいったジン、もしくは甘いワインベースの食前酒を飲む。
昼食
何かしらシンプルなものと決まっている。前任の王室料理長マクグレーディ氏によれば、女王は、ホウレンソウやズッキーニを添えたドーバー海峡の舌平目のグリルが好きだそうだ。グリルチキンとサラダという組み合わせも好まれるとのこと。「炭水化物抜き」をルールとする女王は、食事とともにポテトや米、パスタも口にしない。
女王は毎日アフタヌーンティーをたしなむ。キュウリとスモークサーモン、卵とマヨネーズ、ハムとマスタードのフィンガーサイズのサンドイッチは、もちろんカロリーを下げるために耳をカットしたパンに挟まれて提供される。ビスケット、スコーン、チョコレートビスケットケーキを食べる日もある。
夕食
サンドリンガムとバルモラルの農場産の牛肉、鹿肉、キジ、またはサーモンがテーブルに上る。マッシュルームとクリーム、ウイスキーのソースを添えてガーリックステーキにしたものや、肉をローストしてしっかりと焼いたものも女王の好みだ。
デザートはウィンザー城の温室で育てたイチゴや桃など。また女王がどんなブランドかを問わず愛してやまない食べ物がチョコレートだ。チョコレートビスケットケーキだけではなくチョコレートムース、そして伝統的なチョコレートのスポンジケーキも大好きだそう。
そして彼女の一日は1杯のシャンパンで締めくくられる。
一般人の感覚からすると決して地味な食生活ではないが、毎日高価な食材をふんだんに使った豪勢な食事をしているというわけでもない。実際は大好きなチョコレートなどを楽しみつつも炭水化物を抜いて、野菜やたんぱく質の摂取を中心に心掛けた健康的な食生活をしていることが分かる。この食生活が91歳になっても最前線で活躍し続ける彼女の長寿の秘訣のひとつなのかもしれない。
画像提供:英国王室