ペンギンはクラゲを食べている 極地研が観測

ペンギンはクラゲを食べている 極地研が観測

国立極地研究所などの国際共同研究グループは、南半球に生息する4種のペンギンがクラゲを捕食していることを初めて明らかにした。クラゲは栄養価が低く、ペンギンなどの大型の海洋動物の餌にならないという従来の考えを覆す発見だという。

研究グループは、小型のビデオカメラをペンギンの背中に取り付けて、4種のペンギンの水中での行動・生態を4年間かけて調査した。合計106羽のペンギンから得られた350時間以上の映像を解析した結果、南極からオーストラリア、ニュージーランド、アルゼンチンに至る広い範囲で、ペンギンがクラゲやクシクラゲを捕食していることが明らかになった。従来、捕食した餌を調べる際は動物が吐き戻したものを調べていたが、クラゲは体が壊れやすいため分からなかったという。

ペンギンは体温を維持するのに多くのエネルギーを必要とするため、体の95%が水分で、栄養価の低いクラゲを食べるとは考えられていなかった。ペンギンがクラゲを食べる理由は今のところはっきりしておらず、今後、栄養素や化学組成の研究を進めるという。また、クラゲなどのゼラチン質動物プランクトンが生態系の中で果たす役割の理解を深めたいとしている。論文は、5日、科学雑誌『フロンティアズ・イン・エコロジー・アンド・ザ・エンバイロメント』に掲載された。

(写真はイメージ)

 
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