遺伝性乳がん・卵巣がん、医師からの説明機会が不十分
医薬品企業のアストラゼネカが2日に発表した、乳がん・卵巣がん患者への意識調査によると、遺伝性の発症かどうかについて情報提供を希望する患者が6割以上なのに対し、実際に医師から説明があったケースは2割程度にとどまることが分かった。
同社が実施した乳がん・卵巣がん患者154人への調査結果によると、自身のがんが遺伝性かどうかの情報提供を希望した患者は62.3%だった一方で、実際に情報提供を受けたのは22.1%だった。逆に「情報提供してほしくない」という回答は7.1%と1割に満たなかった。
乳がん・卵巣がんは、特定の遺伝子の変異が原因で発症することがあり、遺伝性乳がん・卵巣がんをHBOC(Hereditary Breast and Ovarian Cancer)という。この遺伝子変異を持っている場合、通常より若く発症したり両方を発症したりする特徴がある。また、発症率は乳がんの場合、一般の人の6~12倍、卵巣がんは8~60倍になるという。自身の遺伝子変異の有無は、遺伝子検査で確認できる。
HBOCについて知った患者の58.4%が「もっと知りたい」と希望しており、33.1%が「自分の子どもなど親族のことが心配になった」と答えている。HBOCを知る機会はテレビ・ラジオが64.2%と最も多く、次いでインターネットが43.3%、医師からは26.9%にとどまった。
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