対馬のカワウソは韓国・サハリン生息のものと近縁
環境省は12日、琉球大学の調査によって長崎県対馬市で生息が確認されたカワウソがユーラシアカワウソだという調査結果を発表した。
2月、琉球大学がツシマヤマネコ撮影のために設置していた自動撮影カメラにカワウソが映っていたと8月17日に発表し話題となっていた。国内で野生のカワウソの生息が確認されたのは、1979年以来38年ぶりで、絶滅したとされるニホンカワウソが生存している可能性へ期待が高まった。環境省はこの発表を受けて、ふん、毛、足跡、食痕などを捜索する痕跡調査の実施を決定。7月11~18日に緊急調査を、8月28日~9月2日には対馬全域を対象とした全島調査を行った。
二度にわたる調査の結果、カワウソのふん数個と足跡1つを発見し、ふん6個からはユーラシアカワウソのDNAを検出した。DNA解析によってニホンカワウソや中国生息のユーラシアカワウソよりも韓国やサハリンに生息するユーラシアカワウソに近い種だと判定された。
DNAが検出できたふんはすべて同じ個体のオスものだったことから、同省は対馬で少数の個体が河川や海岸を利用しながら生息していると考えられるとした。
画像提供:琉球大学
参考記事
絶滅種カワウソ、対馬で発見 琉球大が動画で確認(2017/08/19)