空からの情報で品質向上 青森県産米「青天の霹靂」
新技術を使ってコメの品質の向上を目指す試みがある。日本で主力のコメといえば「コシヒカリ」だが、このコシヒカリに代わる新しいブランド米を作ろうと、近年、日本中で新品種が続々と登場している。今回はその中でもちょっと変わった取組みで品質を高め、ブランド米として売りだした「青天の霹靂」を紹介する。
青森県で育成された新品種のコメが「青天の霹靂」だ。この「青天の霹靂」は、ICT農業の先駆けとなるような取り組みで品質を向上させたコメとして注目されている。多くの場合、コメの収穫は田植えをした日からの日数や農家の経験からの判断で収穫しているが、このお米はそれとは異なる方法で収穫適期を見極めている。その見極め方法は、衛星データの活用だ。青森県では2015年から栽培を開始した新品種「青天の霹靂」に、2016年から衛星データを活用している。
コメは収穫適期を逃すと米粒が割れて、食感が悪くなるため、収穫適期を見極めることは非常に重要だとされている。さらに、栽培する過程で肥料の量が多いとたんぱく質含有率が高くなりおいしいお米にならないため、適切な栽培管理が必要だという。「青天の霹靂」はこれらの課題を衛星データの利用により克服し、品質の良い米を産地全体で生産することに成功した。その結果、「青天の霹靂」の販売価格は同じ地域で栽培されている他の品種の約1.5倍の高値となるという成果を上げているという。
「青天の霹靂」は粒がやや大きめで、炊き上がりからしばらく保温しても潰れることのない適度な硬さがあるのが特徴。「晴れ渡った空に突如として現れる稲妻のような強烈な存在になりたい」という希望を込めて命名されたという。「青天の霹靂」2017年産の新米は10月7日から販売されているので、この秋、ぜひご賞味あれ。
画像提供:青森県産業技術センター
(冒頭の写真は、イメージ)