黒いシジュウカラ、科博が発見
国立科学博物館は10月31日、同館附属の筑波実験植物園にて、シジュウカラの珍しい黒い個体を確認したと発表した。今年2月に同園で、頭部全体が黒で全身も黒色を帯びた鳥を発見。DNA鑑定の結果、この鳥はシジュウカラのメスであると判定された。
シジュウカラは腹部を走る黒色部が太いものがオスであるとされるが、今回発見された個体の黒色部は通常のオスと同等以上に幅が広く、これはメスとしては珍しいという。一般にメラニンを含む黒色羽毛を多く生産することは負担になると考えられている。
鳥類において黒化した個体が生まれる原因の多くはメラニン合成に関わるホルモンの遺伝子の突然変異とされているが、そのメカニズムは解明されていない。国内ではウミネコとスズメで報告があったのみ。シジュウカラの黒化、特に今回のように著しい黒化の例は世界でもオランダで報告があるだけで珍しいことだという。
筑波実験植物園で発見されたシジュウカラ黒化個体
画像提供:国立科学博物館