災害救助犬の情動をモニタリング、捜索活動を支援 東北大
東北大学は1日、災害救助犬の活動度を遠隔モニタリングするサイバースーツを世界で初めて開発したと発表した。心電と運動の情報をタブレット端末などで表示することにより、災害救助活動中の犬の情動をリアルタイムで測定することができる。研究グループには、麻布大学、奈良先端科学技術大学院大学、熊本大学、京都女子大学などの研究者が参加した。
災害救助犬は不快になると著しく探査能力が落ちると言われる。従来、犬の快・不快の情動は飼い主の感覚でしか判断できなかったが、同研究では救助犬にサイバースーツを装着して心電や加速度情報を取得することで、犬の情動を客観的に判断できるようにした。情動が快のときに集中的に捜索を実施し、不快のときは休憩を取らせるなど、救助犬の活動が効果的に行われることを目指す。
サイバースーツは重さ約1.5kgの犬用ベストで、心電計測装置、慣性センサー、カメラ、マイク、GPSなどとオンボードコンピュータ、通信装置が搭載されている。犬にインナーウェアを着せるだけで、必要な個所の皮膚に心電計測の電極を密着して設置できる。
同研究グループは、今後は災害救助犬の用途以外にも犬の情動を推定する技術として拡張し、犬が感じたことを人間が共有するといった、人と犬との新たなコミュニケーション手段を探っていくとしている。
画像提供:東北大学