夜明け前の東の空、天体ショーが開演中
11月中旬、夜明け前の東の空で、自然の天体ショーが繰り広げられている。
13日の明け方、日が昇る少し前の時間帯に東南東の低い空で、金星と木星が月の見かけの大きさ程度に最接近した。この日、東京では金星の出が朝5時5分、木星の出が朝5時8分、日の出が朝6時14分で、夜明けは朝5時40分だった。ちなみに日の出とは太陽の一部が地平線から出てくる時のことをいい、東の空が明るくなり始めることを夜明けという。
また15日の明け方には、月齢26の細い月が火星と共に昇ってくる。「月齢」とは月の満ち欠けの状態を知るための目安になる数字で、15前後であれば満月、30に近い数字であれば次の新月が近いことになる。この日、月の出は朝2時50分、火星の出は朝3時11分で、月の右下に赤い火星が見えるだろう。日の出は朝6時16分、夜明けは朝5時42分だ。
さらに17日の明け方、新月直前で極細の月が金星と木星を伴って昇ってくる。この日、月の出は朝4時45分、木星は朝4時57分、金星は朝5時14分。極細の月は見つけにくいので、太陽が昇る前(明け方)に東の空に明るく輝き「明けの明星」と呼ばれる明るい金星を目印に、その左上を探してみると良いだろう。
なお、これらは肉眼でも十分に観察できる。双眼鏡などを使う場合、太陽が視野に入ると非常に危険なので、上述した日の出の前には切り上げるようにしよう。
画像提供:国立天文台