地球外生命は存在するのか? 系外惑星ハンター会議開催
太陽系以外の惑星(系外惑星)に生命体は存在するのか? そんなファンタジーを追い求める系外惑星ハンターたちの会議が11月13~17日、米ワイオミング州ララミーで開かれた。20日付のネイチャー誌が報じた。
会議では、地球外生命を見つけるための方法が話し合われた。これまで、惑星表面に液体状の水を持つことが生命体居住可能の可否を見る標準的な定義と考えられてきたが、これに対し「それは系外惑星探査を導くべき要因ではない」として、「地球外生命が存在するならば、彼らを見つける可能性に焦点を当てるべき」という声が数多く上がった。
アリゾナ州立大学教授で天体物理学者のスティーブ・デッシュ氏は「惑星は居住可能であり得る。そして何らかの影響により生命が存在できない」と指摘。すでに何千もの系外惑星が確認されているが、そのうち12以上が潜在的に「居住可能」と判断されている。最新のものは11月15日に発表された「ロス128b」で、地球からわずか11光年の近さにある地球サイズの惑星。ただ正確には、これらの惑星のほとんどが「地球の双子」といえるものではないのが現実だ。例えばロス128bが周回している中心星は、地球にとっての太陽に比較すると寿命は長いが、温度も低い小さな星だ。中心星の温度が低い分、周回する惑星の表面に液体の水があるためには中心星のごく近くにある必要があり、中心星からの有害な電離粒子にさらされてしまう。
今回の会議で発表された1つの研究では、ある惑星が海洋に覆われてはいるが、地球の生命に必須のリンが欠乏していることが示された。また他の研究では、より深い水に覆われた惑星で、海底に非常に大きな圧力がかかるため、地球の生命を育んだ大陸を移動させる「プレートテクトニクス」と呼ばれる惑星プロセスが起きないと結論付けられている。
会議の最後に行われた参加者への問いかけで、「2040年までに系外惑星上に生命の証拠を見つけることができるか」に対して、「見つからない」が47票、「見つかる」が29票だった。しかし一方で大部分の人が、2050年代あるいは2060年代には別の世界で生命が見つかるだろうという期待を共有して会議は締めくくられた。
画像提供:Alexandra Witze